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寝る前に行なう水分補給の重要性
わたしたちは寝ている間に汗をかきますので、カラダが水分不足にならないように、寝る前に水分補給をする必要があります。
しかし、飲み物によってはカラダを冷やすとか、眠気を妨げたりするものもありますので、あらためて朝までグッスリ眠れるドリンクと、飲むべきではないNGドリンクを確認していきましょう。
飲み物の温度や種類、飲み方を変えるだけで、心身のリラックス度が変わって寝つきがよくなることがありますし、夜中にトイレで目が覚めることもすくなくなります。
まず、最初にお話ししたいのは
「そもそも、寝る前の水分補給は必要かどうか」
ということ。
寝る前に水などを飲むと、トイレに行きたくなって夜中に何度も目が覚めるから、水分補給はしないという方もいます。
確かに、一定レベル以上の尿意を感じるとトイレに行きたくなりますから、水を飲まないというのも理解できますが、水分が減ると血液がドロドロの状態になり、シニアの方は血管系の重篤な病気を引き起こす可能性があります。
とくに夏は、他の季節より発汗量が多いので、こうしたリスクがアップするのです。
ですから、飲む水の量を少なくして、しっかり水分補給するのが基本。
冷蔵庫でキンキンに冷えた水ではなく、常温の水か温めたお湯などを飲むようにすれば、夜中に目が覚めることなく、朝までグッスリ眠れるようになるでしょう。
水分補給で飲む飲料の温度に注意
冒頭でもお話ししたとおり、寝る前に冷たいドリンクを飲むのはNGです。
できれば、カラダを冷やさないためにも、日中に飲むドリンクも常温以上の温度にしたいもの。
寝る前に冷たいものがカラダに入ると、尿の量が増えたり、逆に、尿が増えていないのに尿意を感じたりすることがあります。
こうしたカラダの特徴を考えて、寝る前のドリンクには、一度沸騰させた水を飲める程度の温度にまで冷ました「白湯(さゆ)」を飲むといいでしょう。
白湯は体温に近いため、体内に入ると素早く吸収されますので、体内が水分不足になった時にもおすすめですし、穏やかな寝つきに誘う神経のはたらきも活性化させます。
冷たい水を飲まないと、水分補給した気にならないという方もいると思いますが、普段から冷水に慣れているためです。
白湯は水分補給が素早くできるだけでなく、カラダの抵抗力アップにもつながりますから、積極的に飲むようにしてください。
女性に多い冷えの症状も、白湯を飲むことを習慣にすることによって血のめぐりがよくなり、いつも冷たくなっている手や足の指先などが、次第に温かくなることも期待できますよ。
(白湯の作り方)
1.水道水(できればペットボトルの水や、浄水器の水)をヤカンに入れて、沸騰させます
2.沸騰したら15分程度加熱し続け、その後、火を止めて熱を冷ましていきます
3.フーフー冷ましながら飲める温度になったら、完成です。
白湯は寝る前に飲むと、朝までグッスリ眠れるようになりますが、朝起きた時に飲むドリンクにも取り入れて欲しいです。
起きたばかりの時は、わたしたちの体温は下がっていますから、白湯のパワーでカラダをポカポカにしていけば、体温の上昇スピードが上がります。
これによって、午前中から活動量がアップして、頭の回転もよくなることでしょう

夜のNGドリンクは?
カラダが温まるドリンクであっても、すべてOKというワケではありません。
飲み物には、眠りを妨げる成分や、逆に、朝までグッスリをサポートする成分が含まれているものがあります。
眠りを妨げる成分の代表格として挙げられるのは、コーヒーや緑茶、紅茶などに含まれているカフェインです。
カフェインには脳のはたらきを活発にするはたらきがありますから、寝る前のリラックスタイムに飲んでカラダを温めても、布団に入ったらなかなか寝付けなくなる、なんてことも。
もし、ストレスをさほど感じておらず、寝室の温度や湿度が適切だというのに、眠りにつくまで時間がかかるという方は、カフェインの影響を受けているかもしれません。
昔は、寝る前にコーヒーなどを飲んでも、眠れなくなるなんてことはなかったという方でも、年齢を重ねるにつれて体質も変化しますし、カフェインに対する反応も変わってきます。
カフェインが影響で寝付けない、朝までグッスリできないと感じたら、ノンカフェインドリンクでリラックスするようにしましょう。
どうしてもコーヒーの香りでリラックスしたいという場合は、カフェオレボウルなどにホットコーヒーを入れて両手でつかみ、ニオイだけ楽しむようにしてください。
こうすれば、冷えやすい手先は温まりますし、コーヒーの香りでリラックスできます。
味は落ちてしまいますが、飲まなかったコーヒーはとっておいて、翌日に飲むようにするといいですね。
カフェインが夜のドリンクにNGとなるもう1つの理由
コーヒーなどを夜に飲むことを避けるのは、カフェインにもう1つ、眠りを妨げる“利尿作用”があるからです。
通常の飲料よりも、カフェインドリンクを飲んだ時の方がトイレに行きたくなる頻度が高まりますので、眠りが何度も妨げられて朝までグッスリ眠れなくなってしまいます。
同じ利尿作用は、アルコールにも。
アルコールも強い覚醒作用がありますから、寝る前のドリンクとしては不向きですし、カフェインより強い利尿作用に加えて、アルコールの分解に体中の水分が使われることで、喉が渇いて目が覚めることが多くなるのです。
寝る前のおすすめドリンクとしてホットワインを取り上げ、おいしく飲むレシピを公開しているサイトも多いですが、利尿効果や脳を覚醒させる作用、喉が乾くといった眠りを妨げるはたらきは、ワインも他のお酒と変わりありません。
寝る前のホットワインも、気分は落ち着いたとしても、グッスリ眠ることを優先するのでしたら避けるべきです。
エナジードリンクは絶対に避けるべき
カフェインの量がコーヒーなどよりかなり多い栄養ドリンク(エナジードリンク)は、仕事中だけでなく、疲労の蓄積がひどい時にも飲むことが多いですよね。
しかし、カフェインの影響はさることながら、糖分の含有量も非常に多いですし、依存性の高さも指摘されています。
また、あくまでも大量に飲んだ場合でのリスクですが、エナジードリンクに依存した人が多量摂取したことで、死亡事故が発生した例も。
こうしたリスクを考えたら、寝る前はもちろんのこと、日中も極力飲まないようにするのが賢明と言えますね。
アルコールよりおすすめのドリンクとは?
アルコールの摂取は、寝る前だけでなく、布団に入る3時間前から避けるべきです。
しかし、お酒好きの方が節制ばかりしているとストレスがたまり、それが原因で眠りが浅くなってしまう可能性がありますので、代わりにノンアルコールタイプのビールや梅酒などを試してみてください。
人によって好みは変わると思いますが、ノンアルコールビールなどは通常のビールのような味わいがあり、のど越しなどもかなりいいですよ。
しかも原料に使っているホップには、眠りをサポートするホップがたくさん含まれています。
寝る前のドリンクにしたら、カラダを冷やしてしまいますが、お風呂上りのビール代わりに飲むドリンクには最適ですよ。
おすすめのノンカフェインドリンク
ここからは、寝る前におススメの、心身がリラックスするドリンクを紹介していきます。
水出し緑茶
緑茶が大好きで、寝る前は香ばしい香りで癒されたいという方は、水出しで緑茶を入れてみてください。
お湯で作る場合と違って、カフェインが抽出されませんから、夜のリラックスドリンクとして安心して飲めますよ。
水出しでしか出ない抗酸化成分も抽出されますので、美容やカラダの疲労回復にはもってこいです。
ホットの麦茶
麦茶といえば、冷やして夏の暑い季節に飲むドリンクといったイメージが強いですが、試しに豆を買ってきてフライパンで炒ってみてください。
何とも言えない香ばしい香りに包まれて、気分がどんどん落ち着いてゆきますし、その豆から作った麦茶の味も最高です!
空腹を感じている時におすすめのドリンク
寝る前は胃に食べ物を入れないのが基本ですが、あまりにもお腹が空いていると寝付けなくなることもあります。
そんな時は、睡眠の妨げにならないような、カラダに優しいスープを飲むようにしてみてはいかがでしょうか?
葛湯
くず粉をお湯で溶かしたドリンクで、少し粘り気があるのが特徴。
胃に優しいので、寝る前にお腹が空いた時に飲むのに最適です。
ただし、葛湯だけではノドの渇きは満たせませんので、「葛湯+白湯」の組み合わせがおすすめ!
気になるカロリーですが、1杯分で40~50キロカロリーとなっています。
この程度でしたら、寝る前に飲んでも太る心配は少ないですし、かなり空腹感が満たされるので、とくに女性の方におススメです。
梅昆布茶
昆布のうま味が香ばしく、クセになる味です。
空腹を満たすほどではありませんが、夜食代わりに飲むのにいいでしょう。
ただし、塩分量が少し多いので、2杯、3杯と飲む量が増えないようにしてくださいね。
ハーブティーならストレス解消にもつながる
さまざまなNGドリンクと、おすすめドリンクを紹介しましたが、寝る前は心身のリラックスが一番重要ですので、香りや成分に鎮静作用がある飲み物を毎日飲みつづけていると、朝までグッスリ寝る習慣が身に付きますよ。
ここからは、心身にさまざまな好影響をもたらすおススメのハーブティーを紹介していきます。
1.カモミール
リンゴのようなやさしい甘さで包んでくれるカモミール茶は、ハーブティーの中でも1,2を争う人気を誇ります。
ローマンカモミールとジャーマンカモミールの2種類あり、ハーブティー用に使われるのはジャーマンカモミールです。
気分が落ち着くだけでなく、お肌の老化を抑えるなどの美容効果も期待できます。
キク科の植物にアレルギーがない方でしたら、誰でも飲める安価なハーブなので、ハーブティー初心者の方におススメですよ。
また、カモミールは他のドリンクとの相性もよく、少量のミルクを加えると、高級感あふれるカモミールティーに早変わり。
柑橘系のハーブと混ぜると、上品な甘さが堪能できます。
2.ラベンダーティー
カモミールの次に人気のラベンダーには、眠りに誘う独特の香りがあります。
素敵な香りが部屋いっぱいに広がり、心身のリラックスが進むのが特徴。
カモミール同様、クセのないハーブですからだれでも楽しめますし、仕事で疲れた男性にもおすすめです。
寝る前に気分が落ち込む、イライラが収まらないという時は、このラベンダーでストレス解消を試みてください。
3.ペパーミントティー
カモミールやラベンダーとは違って、さっぱりとしたキレのある味が特徴のペパーミントティー。
飲むと気分がシャキッとしてくるので、明日から頑張りたいと思っている時に、背中を押してくれます。
輪郭のハッキリした味ですが、脳を活性化させる心配はありません。
夜のリラックスタイムはホットで飲んで、昼はアイスで飲むのがおすすめ。
食後に飲むと消化がサポートされますので、ランチタイムのドリンクとして取り入れてみてはいかがでしょう?
4.レモングラス
その名のとおり、レモンの爽やかな香りが特徴のリラックスドリンクです。
口に含めると清涼感を感じ、気分が次第に前向きになっていくのを実感できることでしょう。
他のハーブとブレンドすると、また違った味わいになるのも特徴で、とくに、美容サポート力が高いローズヒップとの相性はバツグン!
心身のリラックスがお肌にもいい影響を与えて、飲むほどに肌がつやつやしてくることを感じますよ。
5.オレンジピール
柑橘系のニオイは脳を活性化させるので、アロマなどで使うのは避けたほうがいいのですが、ハーブティーならそんな心配も不要です。
ペパーミントやレモングラスのような爽やか系の快眠ドリンクですが、少し甘みも感じます。
味には甘みがほとんどないので、少しだけ蜂蜜を加えてみるものいいかも。
気分が落ち込んでいる時は、カモミールとブレンドして飲んでみてください。
少しずつ前向きになれて、穏やかな眠りにつけるようになりますよ。
6.リンデンピール
カモミールとラベンダーとの相性が非常によく、ココロを鎮めるのに最適なリラックスドリンクです。
リンデンピール自体は、あまり味の主張がない、やさしい花の香りが漂うハーブですが、こちらも蜂蜜を加えることで飲みやすさが倍増します。
7.セントジョーンズワート
西洋では古くから眠りのハーブとして使われていて、ココロをリラックスさせて不安を取り除いてくれる、とってもやさしい香りが特徴的。
少しスパイシーなので、好みが分かれるところではありますが、ローズマリーなどとブレンドすると飲みやすさが格段にアップします。
8.ローズヒップ
カモミールやラベンダーなど、甘い香りのハーブがお好みの方は、週に1~2回は、酸味を感じるローズヒップのハーブを飲むようにしてみてください。
酸味だけでなく甘みもあり、2つの味が絶妙なハーモニーを奏でます。
毎日同じ味のハーブティーを飲むのもいいですが、たまにはこうしたアクセントを加えると、リラックスタイムが楽しみになるだけでなく、ハーブの世界が広がって快眠習慣が進むことでしょう。
9.エルダーヒップ
ペパーミントとブレンドして飲んでほしいハーブで、さわやかな後味が残ります。
1日の活動が終わった後、エルダーヒップを飲みながら「ふぅー」っとため息をつくと、疲れやストレスが一緒にカラダから出ていきますよ。
エルダーヒップ単体では、ほのかなマスカットの甘さを感じます。
10.ラズベリーリーフ
名前からすると、ラズベリーのような酸っぱさがあると想像する方が多いと思いますが、
「上品な甘みがあるほうじ茶」
と例える方が多いですね。
「妊婦のハーブ」という異名もあるぐらい、妊娠時にもおすすめのハーブティーと言えます。
お母さんがリラックスしていれば、赤ちゃんの健康にもよい影響を与えますから、妊娠中の方は、ぜひ、試してみてください。
11.ローズピンク
最後に紹介するのは、名前もハーブの色も癒しになるローズピンクです。
甘いバラの香りが誰もが虜にする、人気のハーブティーで、ブレンドするよりも単体で飲む方がおいしいと評する方が多いですね。
気分が落ち込んでいる時は、香りが疲れた心を包んでくれる、元気を出したい時は、そっと後押ししてくれる、そんなやさしいハーブティーです。
今回のまとめ
寝る前は、水分補給だけでなく、朝までグッスリ眠るためにリラックスも重要です。
忙しい毎日を送っていても、夜寝る前に必ずお茶を楽しむことを習慣にすれば、心身の疲れが抜けやすくなり、カラダにこれからグッスリ眠るという合図を送ることにもつながります。
時間がない方でも、ちょっとした時間をこうしたリラックスドリンクを飲むようにすると、寝つきがよくなって、朝まで快適な眠りにつけることでしょう。
ぜひ、みなさんも参考にして、夜の生活に取り入れてみてください。
