懐かしい古本屋の香り…たまにはリラックスしませんか?

懐かしい古本屋の香り…たまにはリラックスしませんか?

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本屋さんの香りっていいですよね。

特に神田から御茶ノ水にかけてのエリアで若い時期を過ごしたわたしにとって、神保町の古本屋さんにはとても深い思い出があります。

当時は大学の授業が終わった後、坂をおりて古本屋さんに毎日通い、必ず決まった珈琲店に入って、購入した古本を紐解き、中央線に乗って帰る毎日でした。

懐かしい古本屋の香り…たまにはリラックスしませんか?

古本屋の香りでアロマテラピー?

それらの古本屋さんでは、当時日本で注目されて始めていた、フランスの現代思想の本、たとえばロランバルト、などの手法を文学研究に生かそうとして物色していました。

本当に古本屋さんが私の毎日のルーチンの一部でした。

特に書棚もですが、その独特の香りが大好きでした。

そのキノコにも似て少し湿っているのだけどもどこか落ち着く香り、になんとなく癒されていました。

僕にとって古本屋さんはアロマテラピーそのものでした。

まるで故郷北海道の、水辺の草の生い茂ったような香りのように、みずみずしさと植物の香りが混ざった香り、、、とても落ち着きました。

懐かしい古本屋の香り…たまにはリラックスしませんか?

うっとりする「緑の水」の香り

ある時、いつもの珈琲店を出て坂の上にあります、御茶ノ水駅の近くの、洋書の新書を扱う店にふと立ち寄りました。

そこのレジにいた、同じ大学に通う素敵なアルバイトの店員さんといつしか仲良くなりました。

店員さんの仕事の後、向かいの画材屋さんに立ち寄ったりしながら、スケッチブックやなんかを眺めて帰るという日課が、しばらく続いた気がします。

その店員さんは、赤色の中央線に乗って山の方に行くのではなく、黄色の総武線に乗って逆方向の海の方に向かって帰るので、いつも駅の改札を通ったところでお別れです。

そんな時期がしばらくあった気がします。

ある時、その店員さんの付けているオーデコロンの香りが、まさに古本屋さんの懐かしい水と植物が混ざった香りと似た感じがしました。

そこで店員さんに、それがどこのブランドのなんというものであるか聞いてみました。

それは1950年当時にパリで人気だった老舗ブランドが1980年代後半に一時的に復活した際、復刻版として出たもので、英語で「緑の水」と名前の付いたものでした。

当時のフランス人たちは、あえて洒落て英語の名前にしたのかもしれず、それは僕が古本屋さんで好んで探していた、古いフランスの思想家たちも、もしかしたら付けていたかもしれません。

いずれにせよ、その「緑の水」の、水辺を思わせる森の香り、あるいは森の中にある緑の水の香りは、北の田舎の森林育ちの私をうっとりさせました。

それは、古本屋さんでの時間と同じく、いつもそこでたたずみ、くつろいでいたいと思わせるものでした。

今では書籍に使われる紙も変わったのか、またエアコンが総じて良くなったのか、以前ほど本屋さん、特に古本屋さんに森の香りを感じる事は無くなった気がします。

しかし、時折神保町に立ち寄ると、それでもまだそうした懐かしい香りがします。

都心の森を感じてリラックスするためにも、たまには今後も古本屋さんによりたいと思うのです。

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