《医師監修》【石川医師の不眠相談】睡眠の間違った常識を正せば快眠体質に!

《医師監修》【石川医師の不眠相談】睡眠の間違った常識を正せば快眠体質に!

睡眠・不眠対策グッズ

酷暑を乗り切る“睡眠力”を身につける

今年の夏は、年初から暑い日が続くと気象庁などでも予報していましたが、4月から真夏日になることがあったり、7月には最高気温が35度を超える“猛暑日”が続いたりするなど、例年にない酷暑となっています。

昼間にここまで暑くなると、夜になっても気温が30度を下回らないようになり、わたしたちの睡眠環境はどんどん悪化してゆきます。

こうなると、普段は布団に入るとすぐに眠れる人でも、なかなか寝付けなくなりますし、不眠の悩みを抱えている人は症状がさらに深刻に。

睡眠は、カラダやココロだけでなく、神経の疲労も回復させるための重要な活動です。

暑さのせいで寝つきが悪くなり、眠りについても寝苦しさを感じて目を覚ます夜が続くと、疲れやストレスがどんどん蓄積してゆき、さまざまな病気リスクが高まります。

さらに、体調が低下していると、この時期に増加する熱中症にかかる可能性も高まりますから、正しい眠りの知識を身につけて、酷暑を乗り切る“睡眠力”を身につけましょう。

ところで睡眠というのは、睡眠不足にならないように眠ればいいというものではありません。

また、日頃、当たり前のように行なっている行動の中には、不眠につながる習慣も多いです。

そこで今回は、このコーナーでお馴染みの石川先生に、不眠を解消して快眠を得るポイントを、Q&A方式で解説して頂きます。

間違った知識を正せば、寝つきもよくなって、疲労回復とストレス解消がかなう質の高い睡眠につながりますよ!

【石川医師の不眠相談】睡眠の間違った常識を正せば快眠体質に!

自分が睡眠不足に陥っている判断するには?

先生にお話しを聞く前に、誰もが気になる睡眠不足について解説しておきましょう。

わたしたちに必要な睡眠時間は、1日7時間前後と言われています。

しかし、これはあくまでも目安の時間であって、5時間睡眠で問題ない方もいますし、いつも7時間ぐらい眠っている人でも「寝足りない」と感じることも。

最低限の睡眠時間も必要ですが、それよりも重要なのが「睡眠の質」です。

毎日深い眠りが得られていて、朝まで目が覚めずにグッスリ眠れていれば、心身の疲労回復が進み、たまったストレスもうまく解消してゆきます。

逆に、浅い眠りばかりが続く睡眠だと、とくに脳の疲労回復が進まないため、日中も頭が回らない状況に陥りやすくなるのです。

自分に睡眠が足りているかどうかは、時間を目安にするのではなく、下記に挙げるような症状があるかどうかで判断するようにしましょう。

1.朝起きた時に、寝た気がしないと感じていないか

2.日中に強い眠気が発生していないか

3.判断力や記憶力、思考力などが低下して、生活に支障が出ていないか?

【石川医師の不眠相談】睡眠の間違った常識を正せば快眠体質に!

1つでも当てはまる項目があったら、深い眠りが得られていない可能性があります。

また、必要な睡眠時間は、年齢を重ねるとともに少なくなるということも覚えておきましょう。

一般的に、8時間ぐらいの睡眠が必要なのは15才ぐらいまでで、シニア世代になると7時間以下で十分というケースが多いのです。

自分に必要な睡眠時間を調べるには、寝室のカーテンを閉め切った状態で、目覚まし時計をかけずに寝てみるのが有効。

こうした睡眠を5日ぐらい続けてみると、最初の数日は疲れなどが影響して睡眠時間が長くなりますが、3日目ぐらいから適切な睡眠時間に移ります。

忙しいビシネスマンの方は、ゴールデンウィークや夏休みなどに実践してみるといいですよ。

では、不眠を解消したり、深い睡眠を得たりするための知識を身につけてゆきましょう!

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Q1.休日に寝だめすると、睡眠不足解消につながりますか?

A.睡眠不足につながるどころか、不眠がひどくなる可能性があります。

睡眠は、残念ながら“ためる”ことはできません。

平日は仕事や家事で忙しく、常に睡眠時間が不足していると、休みの日に寝だめしたくなりますが、起床時間は常に同じにするのが快眠の基本です。

その理由は、睡眠ホルモンの分泌リズムが乱れるから。

夜になると自然に眠気が発生して、朝になると目が覚めるというリズムは、睡眠ホルモンである「メラトニン」の作用によるものです。

このメラトニンは、朝日を浴びることで分泌がストップし、それから14~16時間後に再分泌されます。

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ですから、平日は7時に起きている人が、休日に寝だめして10時まで寝たとすると、メラトニンが再分泌される時間も3時間遅くなってしまうのです。

寝だめは一時的なストレス解消にもなりますし、グッスリ寝たという満足感も得られます。

また、カラダの疲れもとれた気がするかもしれませんが、その日の夜は、眠気が発生する時間が遅くなってしまうため、再び、睡眠不足に陥るという悪循環に。

こうしたカラダのリズムを乱さずに、不眠を解消するには、休日もなるべく同じ時間に起きるのが基本。

寝だめは1時間程度にとどめて、平日に少しでも早く布団に入って、睡眠不足を補ってください。

Q2.寝酒は睡眠薬の代わりになりますか?

A.なりません。

アルコールを摂取すると、筋肉が弛緩して気分もよくなり、ストレス解消につながります。

しかし、アルコールは脳を覚醒させる強い作用を持つことから、飲酒後にすぐ眠りにつけても、寝ている間も脳が活動を続けてしまい、深い睡眠が得られなくなるのです。

また、アルコールの分解が終了すると目が覚めやすくなり、そのまま朝まで眠れなくなることも。

こうした理由から、「寝酒は睡眠薬になる」というのは、都市伝説であると言えるのです。

お酒を飲んでリラックスするのでしたら、布団に入る5~6時間前までということと、ほろ酔い程度の酒量で抑えるということを守りましょう。

寝酒を習慣にしている人に、もう1つ注意していただきたいのは、アルコール依存症を招きやすい状況にあるということです。

知らず知らずのうちに酒量が増えていませんか?

不眠の方はもちろんのこと、睡眠に悩みを抱えていない方も、寝酒を飲む習慣はやめるようにしてくださいね。

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Q3.ホットドリンクが寝つきをよくするというのは本当ですか?

A.これも都市伝説の1つで、間違いです。

あたたかいドリンクを飲むとリラックスできるので、そういった意味では不眠解消効果がゼロである、とは言えないのですが、寝る前に胃に牛乳が入ると、消化活動が始まってしまいます。

睡眠には、昼間にフル活動した臓器を休めるという目的もありますので、寝る時は空腹にするべきなのです。

インターネットで睡眠の情報を検索していると、牛乳に含まれる「トリプトファン」という成分(メラトニンの原料)が快眠につながると解説しているサイトがあります。

しかし、トリプトファンがメラトニンになるまでには時間がかかりますし、さらに、メラトニンが分泌されてから眠気が発生するまでも、2時間ぐらいかかるのです。

ですから、牛乳は朝やランチタイムに飲むようにして、寝る前はノンカフェインタイプのハーブティーなどを飲むようにしてください。

カラダの冷えを防ぐためにも、アイスではなく、ホットで飲むのがおススメですよ。

Q4.エアコンをつけっぱなしで眠っても、不眠にはつながりませんか?

A.暑くて寝付けないような夜は、むしろエアコンを朝までつけておいた方がいいです。

普段は朝までグッスリ眠れるのに、夏は熟睡できなくなるのは、寝ている間に暑苦しさを感じて、睡眠が浅くなっていることが原因の1つと考えられます。

寝室の気温が高ければ、寝汗の量が増えて寝具が蒸れてしまい、ストレスを解消しなくてはならない睡眠中に、新たなストレスが加わってしまうのです。

(※暑さ、湿気もストレスの要因です)

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また、汗を大量にかいて体内の水分が減ってしまうと、寝ている間に熱中症を発症するリスクも高まります。

データを見ても、熱中症で死亡する方の数は、夕方5時から翌朝5時までの間が全体の40%となっているのです。
(東京都監査医務院調べ)

高温、多湿の状態が夜も続く夏は、エアコンは朝までつけっぱなしにして、寝る前はコップ1杯の水を飲むようにしてください。

エアコンの風がカラダに直接当たらないように、風向きに注意すれば、不眠につながる心配は少ないですよ。

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Q5.頭を冷やして寝るのは効果的ですか?

A.非常に効果的です

わたしたちのカラダは、寝る前に内部の温度(深部体温)や、脳の温度を下げます。

これが、寝つきのよさにもつながるんですね。

しかし、暑い夏は体温が下がりにくいので、保冷材などを頭の後ろに当てるとか、触れるとひんやりする敷パッドを使って、快眠環境を整えるのが効果的です。

ただし、耳から下の部分を長時間にわたって冷やしてしまうと、脳が覚醒して深い睡眠の妨げとなり、不眠につながる恐れがありますので、後頭部の上部だけを冷やすようにしてください。

Q6.夏の入浴はシャワーだけにするべきですか?

A.いいえ。暑い夏こそ、お湯に浸かってください。

先ほどお話しした深部体温の低下は、寝る前にカラダを温めるような行動を行なうと発生しにくくなります。

ですから、布団に入る前の入浴は避けるべきですが、逆に、2時間前に15分ほど38度ぐらいのお湯に浸かると、寝るまでに急激な体温低下が発生するのです。

この体温変化が、夏の快眠につながります。

そして、入浴後は足が冷えないように、締め付けがゆるい靴下や、レッグウォーマーを履くのも効果的。

これによって、寝る直前に足の裏から汗をかきやすくなって、深部体温を放出しやすくなるのです。

【石川医師の不眠相談】睡眠の間違った常識を正せば快眠体質に!

Q7.不眠が続いたら、ドラッグストアで売っている睡眠薬を飲んでもいいですか?

A.不眠が続く場合は、心療内科や精神科医に行って診察を受けて、睡眠薬を処方してもらうなどしてください。

薬局で販売している薬は睡眠薬ではなく、一時的な入眠などを改善する「睡眠改善薬」です。

薬の説明書にも記載されていますが、常用して不眠を改善する目的で飲むものではありませんので、睡眠の悩みが深刻になってきたら、早い段階で専門医に診てもらいましょう。

睡眠薬は副作用が強い、一度飲むと止められなくなるといったイメージがありますが、最近の薬は安全性が非常に高く、医師の指示に従って飲めば早期に不眠が改善することが期待できます。

今回のまとめ

いかがでしたか?

昔は睡眠の妨げとなると言われていたことも、医学の研究が進むにつれて、新しい常識が次々と発見されています。

まずは、自分の睡眠がどのような状態にあるか(睡眠に過不足がないか、不眠は一時的なものなのかなど)チェックして、不眠につながる生活習慣を正していくようにしましょう。

そして、生活に支障が出るような状態に悪化してきたら、一刻も早く病院で診察を受けることが大切です。

【石川医師の不眠相談】睡眠の間違った常識を正せば快眠体質に!

心療内科や精神科の医師は、薬を処方するだけでなく、患者さんに具体的なアドバイスを伝えて、二人三脚で不眠を解消してくれる、頼もしい味方ですよ!

最後に、快眠におススメの枕を紹介します。

理想的な頭部温度を実現する「新・睡眠用たわし」

良質な睡眠を得ようとする意識が高まるにつれて、機能性が高い寝具が増えています。

その中でも、マスコミやSNSで大注目なのが、たわしを使って作られた枕「新・睡眠用たわし」。

枕の表面は硬いたわしで覆われていて、触るとチクチク、少し強い刺激を感じます。

しかし、ここに頭を乗せると、たわしの刺激が頭皮のマッサージとなって快感を覚えるようになり、気が付いたら“寝落ち”してしまうような寝つきをサポートしてくれるのです。

【石川医師の不眠相談】睡眠の間違った常識を正せば快眠体質に!

さらに、たわし繊維の間に広い空間ができていることから、熱や汗を効率的に放出。

これによって、通常の枕より頭部の温度が5度ぐらい下がるので、寝つきのよさがさらに進みますし、寝ている間に汗をかいても湿気がこもりにくくなり、深い睡眠も得やすくなるのです。

寝苦しい夏はもちろんのこと、一年を通して快眠をサポートしてくれますから、少しでも質の高い睡眠を実現したい方は、ぜひ、お試しください!


この記事を監修したドクター

ドクターイメージ

石川 慧璃 医師

赤羽南口メンタルクリニック院長/精神保健指定医

経歴

2006年筑波大学医学専門学群卒業。米国臨床TMS学会会員。薬物療法やアルコール依存症専門治療病棟での精神療法プログラム、脳に直接アプローチして治療するTMS治療(経頭蓋磁気刺激療法)など、様々な臨床経験がある。また、直営精神科情報サイト『医者が教えない精神科のこと(http://tokyo-mentalclinic.com/))』で、医師がわかりやすく解説した精神科医療情報を配信している。

経歴

2006年筑波大学医学専門学群卒業。米国臨床TMS学会会員。薬物療法やアルコール依存症専門治療病棟での精神療法プログラム、脳に直接アプローチして治療するTMS治療(経頭蓋磁気刺激療法)など、様々な臨床経験がある。また、直営精神科情報サイト『医者が教えない精神科のこと(http://tokyo-mentalclinic.com/))』で、医師がわかりやすく解説した精神科医療情報を配信している。

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