《医師監修》頭痛持ちの人は気象病に注意!気圧の変化で痛みが悪化するワケは?

《医師監修》頭痛持ちの人は気象病に注意!気圧の変化で痛みが悪化するワケは?

天気痛・気象病

痛みが当たり前と思うのは禁物!

日本人の3人に1人は、厄介な「頭痛持ち」だと言われています。

おそらく、この記事を読んでいるみなさんも、常日頃からさしこむ痛みや、脈打つような苦痛を感じていることでしょう。

頭痛はあまりにも身近すぎる痛みであるため、症状の発生を軽視し、適切な対策をとらないことが多いですが、悪化したら日常生活がまともに送れなくなることもあります。

また、命に関わる病気が頭痛を発生している可能性もあるので、正しい知識を身につけて、痛みの予防や解消につとめましょう!

最初に知っておきたいのは、頭痛は2つのタイプに分かれるということです。

1つ目は、片頭痛や緊張型頭痛など、筋肉の緊張や血管の拡張などが原因で起こる「一次性頭痛」。

命にかかわることはないので、「こわくない頭痛」などと呼ばれることがありますが、症状がひどくなると発生頻度や痛みの度合いが高まって、薬を飲んでも効かなくなることも。

 

《医師監修》頭痛持ちの人は気象病に注意!気圧の変化で痛みが悪化するワケは?

2つ目は、脳腫瘍、脳出血、くも膜下出血など、命に関わる病気が引き起こす「二次性頭痛」です。

こちらは、一刻も早く治療する必要がありますから、いつもの頭痛とは違った痛みを感じたら、すぐに専門医に診てもらう必要があります。

では、一次性頭痛にあたる、片頭痛と緊張型頭痛について、詳しくチェックしてゆきましょう。

頭の片方で発生することが多い“片頭痛”

右側か左側、どちらか一方の部位で“ズキズキ”した痛みが発生することが多いのが片頭痛。

後に詳しく説明する「気象病」でひどくなるのも、このタイプの症状です。

片頭痛が起きる時は、脳の血管が拡張しており、これが原因で三叉神経が刺激されて、炎症物質が分泌されます。

症状の発生頻度は、少ない人で月に1,2回、多い人で週に1~2回と差があり、

・ストレス過多の状態になりやすい

・ホルモンバランスが崩れやすい

・疲労がたまっている

といったことが要因となります。

 

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意外な要因として挙げられるのは、「寝すぎ」です。

寝ている間は、生命活動をコントロールする自律神経の1つ、「副交感神経」が優位になり、頭部の血管拡張が促されます。

したがって、いつもより睡眠時間をとると、三叉神経が刺激される時間も長くなるので、朝起きた時に頭が痛いと感じるようになるんです。

また、片頭痛は、症状が発生する前に、光がチカチカまぶしく感じる、音に対して敏感に反応するなど、“前兆”があらわれることもあります。

この前兆に気付けば、つらい症状が発生する前に適切な対応をとって、痛みを和らげることができるんですよ。

後頭部が発作的に痛む“緊張性頭痛”

頭が強く締め付けられるように感じる、発作的な痛み方が出る特徴で、毎日のように症状が起きる方もいます。

このタイプの頭痛は、

・長い時間座ったままでいる

・精神的ストレスを受ける

・カラダが冷える

・パソコンやスマートフォンを長時間使う

などなど、筋肉が緊張しやすい状況が続くことで発生しやすく、数時間で痛みが治まる人もいれば、何カ月も症状が続いて慢性的な頭痛になることも。

 

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また、このタイプの頭痛は、肩や首のコリ、目の疲れなどが伴うケースが多く、後頭部で起きやすいのも特徴です。

枕がカラダに合わないことが原因で、緊張性頭痛が起きることも多く、高すぎたり、首が沈み込みすぎたりする寝具で寝ていると、首や肩の負担が大きくなります。

朝起きた時に、頭痛と共に、首や肩に痛みやハリを感じる場合は、枕の見直しをしたほうがいいでしょう。

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気象の変化が頭痛を引き起こす?

頭痛の原因として、もう1つ注目したいのが、気象の変化です。

昔から、天気が悪くなると頭痛がひどくなると訴える人が多く存在していましたが、症状との因果関係は解明されていませんでした。

しかし、日本で唯一の「天気痛外来」を開設している佐藤純先生が、耳の奥にある内耳という器官が気圧の変化を感知して、痛みを発生させていることを突き止めたんです。

そのメカニズムとは?

 

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気圧が低下すると、まずは内耳が反応して、

「カラダに傾きが発生している」

という情報を脳に送ります。

しかし、実際にはカラダはまっすぐの状態になっていますので、脳は2つの違う情報を得たことでストレスを感じ、自律神経の1つである交感神経を興奮させるんですね。

さらに、交感神経が痛覚神経を刺激し、頭痛だけでなく、関節痛や首の痛みなど、さまざまな症状が発生。

普段から、頭痛持ちで苦しんでいる方は、症状が悪化してまともに動けなくなることもあるんですよ。

こうした気象の変化に伴う症状を総称して、気象病と呼びます。

また、気象病のなかでも、痛みを伴う症状を、佐藤先生は「天気痛」と名付けたんです。

雨が降ると、高い確率で頭痛が発生するという方は、気象病を発症している可能性があると認識しましょう。

では、具体的な対策方法を説明してゆきますね。

鎮痛剤などの薬に頼るのは危険?

頭痛が発生した時に、一番頼りになるのは鎮痛剤ですね。

飲んでしばらくしたら、痛みが緩和してきますし、薬は病院で処方してもらわなくても、ドラッグストアやコンビニエンスストアでも手に入ります。

しかし、薬を飲むと副作用が伴うだけでなく、新たな頭痛が発生することがあるんですよ。

 

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頭痛持ちの方は、常に痛みの不安を抱えているため、ちょっとした痛みを感じた時点で鎮痛剤を服用しがちです。

しかし、こうした薬への依存が知らず知らずのうちに深くなると、次第に薬を飲む量が増えてしまい、脳がさらに弱い痛みにも敏感になり、新たな頭痛を引き起こします。

こうした頭痛は、「薬物乱用頭痛」と呼ばれています。

・鎮痛剤を毎月10日以上飲んでいる

・頭痛薬の効き目が薄くなってきたと感じる

・頭痛の発生部位、痛みの程度などが変わる

このような症状がある方は、この薬物乱用頭痛が起きている可能性がありますので、内科や神経内科で治療を受けてください。

薬はあくまでも、症状を抑えるために飲むものであって、頭痛の原因を取り除くことはできません。

この点を、しっかり覚えておいてくださいね。

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自律神経が乱れることで起きる変化は?

では、気象病による頭痛を予防、軽減するにはどうしたらよいのでしょうか?

その答えは、「自律神経のケア」です。

 

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交感神経と副交感神経という2つの自律神経は、お互いに相反するはたらきをします。

たとえば、交感神経が優位な時は、脳は活性化しますし、血圧や脈拍、体温は上昇して、活動を後押しするんです。

これに対して、副交感神経が優位になると、脳はリラックスモードになり、カラダを休息させるために血圧などは低下します。

車で例えるなら、交感神経はアクセルで、副交感神経はブレーキと言えますね。

交感神経は、起床時から優位になり始めて、夕方過ぎまで優位な状態が続きます。

しかし、アクセルを踏みっぱなしにしていたら、心身が疲弊してケガや病気を招きますから、副交感神経がはたらいて、疲労やストレス解消につながる睡眠に促すんです。

ところが、ストレスによる刺激や、生活習慣の乱れによって、夜になっても副交感神経がはたらかず、交感神経が活発になっている人が多いのが実状。

この状態が、「自律神経の乱れ」であり、気象病が引き起こす頭痛などの症状を悪化させる要因になっているんです。

また、自律神経が乱れていると、交感神経が高ぶる傾向にあり、日中でもさまざまな変化が生じます。

暑いのに汗が出ない、手足が常に冷たいなどといった症状はその代表例で、自律神経がメリハリをなくして体温の調整機能に狂いが生じている証と言えるでしょう。

 

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このように乱れた自律神経を整えるために、ここからは日常生活の注意点について説明してゆきます。

自律神経は1日中はたらいていますから、朝から晩までケアが必要ですよ!

天気痛耳せん

寝起きはいち早く脳を目覚めさせる

寝ている間は、副交感神経優位の状態になっていますから、朝起きたらすぐに交感神経を刺激して、心身を活動モードに移しましょう。

そのためには、起きてすぐに日光を全身に浴びて、脳を目覚めさせる必要があります。

睡眠不足が続いていて、布団から出るのが億劫な朝でも、頑張って窓際まで行ってカーテンを全開にしてください。

こうした行動によって、眠気を発生させる睡眠ホルモン(メラトニン)の分泌が止まり、脳が覚醒してゆきます。

ちなみに、メラトニンは朝日を浴びた後、14~16時間後に再分泌が始まって、眠気を発生させるという規則正しいリズムを持っているんです。

これが乱れると、寝つきが悪くなって睡眠不足になり、自律神経がさらに失調して気象病を発症しやすくなりますから、朝はいつも同じ時間に起きるようにしてください。

休日の寝だめは、睡眠不足解消につながりませんから、1時間を限度にしましょう。

 

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また、交感神経のはたらきを後押しするために、朝食はしっかり食べて、体温を上げるためのエネルギー補給をすることも重要です。

寝起きに冷たい水を飲むのも、目を覚ますのに効果的ですが、冷え症の方は内臓の温度を下げてしまいますので、なるべく常温の水を飲むようにしてください。

眠気が強くて頭の回転が鈍くなったら昼寝する

寝不足が続くと、脳は休息を促すために、昼間に眠気を発生させます。

そんな時は、15分ぐらいを限度として、昼寝をしましょう。

短時間の睡眠でも、疲労とストレス解消が進みますので、自律神経を整えることにもつながります。

ただし、横になって昼寝をしてしまうと、眠りが深くなりすぎて夜の睡眠に影響が出ますから、イスやソファーに座った状態で!

また、遅い時間の昼寝も、睡眠リズムを狂わせることになりますから、昼寝の時間は午後2時までにするのがいいでしょう。

 

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夜は外部からの刺激を徹底的にシャットアウト

1日の疲れが出てくる夕方の時間帯は、緊張型頭痛の症状が出やすいです。

筋肉や神経はくたびれていますし、肩や首はコリコリ。

パソコンやスマートフォンの操作時間が長い方は、目もかなり疲れていることでしょう。

このタイミングで気圧が低下したら、気象病の症状によって、慢性痛もかなりつらくなりますね。

休息を求めている心身に必要なのは、刺激が少ない生活です。

夕方から夜の時間は、光や音、熱の刺激は避けて、交感神経が興奮しないようにする、下記のような行動が必須です。

・照明はなるべく暗くする(間接照明を使うのがベスト)

・テレビや音楽の音量は下げる

・入浴は38度ぐらいのぬるま湯で、布団に入る2時間前までに

・飲酒は午後6時までを目安に

・喫煙しても脳がリラックスすることはないので、頑張って減煙、そして禁煙!

・環境音が気になる場合は、気象病緩和にも役立つ「天気痛耳せん」を装着する

・寝る前のパソコン&スマートフォン操作は、脳が覚醒するのでNG

 

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このような生活習慣に改めて、ストレス解消につながるリラックスタイムを過ごすようにしてくださいね。

交感神経が鎮まり、副交感神経が優位になると、布団に入ってもすぐに眠れるようになりますし、神経の疲れがしっかり回復する深い眠りが得られますので、気象病に強い体質になれますよ。

今回のまとめ

いかがでしたか?

今回は、頭痛の特徴と、これからの季節に増える気象病の対処法にお伝えしてきましたが、無意識のうちに、自分が自律神経を乱す行動をとっていることに気付いた方が多いのではないでしょうか?

人間のカラダは、気象の変化に対応できるようにうまくできていますが、リズムを乱す生活を続けていると機能が低下して、頭痛だけでなく、さまざまな病気を招いてしまいます。

暑かったらエアコン、頭痛が発生したら鎮痛剤、という生活ではなく、自律神経のはたらきを今一度、しっかり確認して、カラダのリズムに合わせた生活を送ってみましょう。

 

《医師監修》頭痛持ちの人は気象病に注意!気圧の変化で痛みが悪化するワケは?

最後に、記事中に登場した「天気痛耳せん」のお話を。

気象病による頭痛は、耳の奥にある内耳が気圧の変化を感知することで発生するとお伝えしましたが、これを緩和するのに有効なのが、本体に気圧調整機能を搭載した「天気痛耳せん」です。

天気予報をチェックして、これから天候が崩れると知ったら、この耳栓を装着してみてください。

耳の中の気圧変動が少なくなりますから、気象病の予防や症状緩和に役立ちますよ。

また、天気痛耳せんは、寝る時に使うのもおススメです。

近所の騒音、家族のいびきなどを軽減してくれますから、深い睡眠が妨げられず、自律神経がしっかり休まる睡眠をサポートしてくれますよ!

天気痛耳せん

この記事を監修したドクター

ドクターイメージ

佐藤 純 医師

医学博士 愛知医科大学医学部客員教授

経歴

医師・医学博士。名古屋大学教授を経て、愛知医科大学・学際的痛みセンターで、日本唯一の「天気痛外来」を開設。
天気痛研究・診療の第一人者としてNHK「ためしてガッテン」、日本テレビ「世界一受けたい授業」など「気象病」「天気痛」の専門医としてメディア出演多数。
著書に、『天気痛を治せば、頭痛、めまい、ストレスがなくなる!』(扶桑社)などがある。

経歴

医師・医学博士。名古屋大学教授を経て、愛知医科大学・学際的痛みセンターで、日本唯一の「天気痛外来」を開設。
天気痛研究・診療の第一人者としてNHK「ためしてガッテン」、日本テレビ「世界一受けたい授業」など「気象病」「天気痛」の専門医としてメディア出演多数。
著書に、『天気痛を治せば、頭痛、めまい、ストレスがなくなる!』(扶桑社)などがある。

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