《医師監修》睡眠薬の服用を考える前に!生活習慣と寝具環境の見直しポイントは?

《医師監修》睡眠薬の服用を考える前に!生活習慣と寝具環境の見直しポイントは?

睡眠・不眠対策グッズ

年々増え続ける不眠人口、あなたの睡眠障害のタイプは?

健康保険組合の加入者19万人を対象とした調査によると、成人の3割以上が、睡眠に関する悩みを抱えていることが分かりました。

不眠の症状は、日中の集中力や判断力に悪影響を及ぼし、生活の質を著しく低下させます。

また、睡眠時間と睡眠の深度を改善しないと深刻な不眠につながり、うつ病などのメンタル系の疾患を引き起こしやすくなります。

この記事を見ている方の中にもさまざまな眠りの悩みを抱えていて、早期に改善したいと願っている方が多いことでしょう。

そして、グッスリ眠る手段として、睡眠薬の服用を検討している人もいるかと思います。

そこで今回は、睡眠薬を飲む前に知っておくべき、不眠に関する正しい知識と、生活習慣や寝具の改善ポイントを解説してゆきます。

薬を飲むことを否定するワケではありませんが、安易に頼ってしまうと症状が悪化する可能性がありますし、副作用の心配も増えます。

少しでも良質な睡眠に戻すためにも、まずは、自分の不眠のタイプをしっかり把握しましょう!

不眠のタイプ1:入眠障害

布団に入ってもなかなか寝付けず、眠るまで30分~1時間ぐらいかかる日が続く方は、入眠障害を引き起こしている可能性があります。

ストレス過多の状態で、神経が高ぶっているとか、夜間に交感神経が活性化しやすい環境で生活していると、このような症状が起きやすくなるんです。

不眠のタイプ2:中途覚醒

一度眠りについた後、夜中に何度か目が覚めてしまうのが中途覚醒

年齢を重ねると睡眠が浅くなるので、こうした症状が多くなるのですが、生活習慣に問題がある若い人にも多く見られます。

寝酒が習慣になっている人も、中途覚醒を起こしやすいです。

中途覚醒が続くと、深い睡眠が得られなくなりますから、朝起きた時に心身の疲れを感じることが多くなります。

不眠のタイプ3:早朝覚醒

普段の起床時間より早く目が覚めるようになって、それから再び寝付くことができない方は、早朝覚醒を引き起こしているかもしれません。

このタイプの不眠も、高齢の方に多く見られます。

不眠のタイプ4:熟眠障害

毎日7~8時間ぐらいの睡眠時間をとっているのに、熟睡感を感じられないのが熟眠障害の特徴です。

入眠障害や中途覚醒を伴っていることも多く、睡眠時無呼吸症候群などの病気を発症していることも。

不眠のタイプが自分で判断できない時は、迷わず専門医の診察を受けましょう。

少し敷居が高いと感じる人もいるかもしれませんが、うつ病などを引き起こさないためにも、専門家に適切なアドバイスをもらうのが、改善の近道になりますよ。

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不眠に悩んだら行くべきは、心療内科?精神科?

不眠を改善する診療科目は、心療内科と精神科の2つです。

それぞれに特徴がありますから、ここで解説しておきましょう。

まず、心療内科というのは、ストレスが原因となって不眠などの症状がカラダに出ている人に対して、適切な治療を施す科目です。

不眠以外にも、お腹の不調や慢性的な疲労、気分の落ち込みなどの症状も該当します。

これに対して精神科では、ココロに強い症状が出ている人の治療を行ないます。

強い不安感や抑うつ、幻聴などの精神症状は、心療内科より精神科が専門領域と言えるでしょう。

不眠の症状が軽い場合は心療内科に、精神的に不安定な期間が長く続いている場合は精神科に行く、というのが1つの目安になります。

不安を感じたら、病院に電話して自分の症状を伝えてみましょう。

診察の対象になるか、教えてくれますよ。

睡眠薬は4種類に分類されます

心療内科や精神科に行くと、不眠症状に合わせて睡眠薬を処方してくれます。

(もちろん、診察だけ受けて、薬は断るということもできますので、ご安心を!)

薬の種類は、効果が持続する時間によって、下記の4種類のタイプに分かれます。

・超短時間型(2~4時間)

・短時間型(6~10時間)

・中時間型(24時間)

・長時間型(3~5時間)

入眠障害と診断された方は、超短時間型の薬が、中途覚醒障害と診断された方は、中時間型の薬が処方されます。

持続時間が長いほど、睡眠が深くなる効果が期待できますが、翌日まで眠気が続くことが多くなることを覚えておいてくださいね。

また、薬であれば、作用に対して必ず副作用が発生します。

代表的な症状として挙げられるのは、ふらつきや一時的健忘、吐き気、倦怠感などです。

さらに、自分の判断で服用をやめてしまうと、不眠の症状がひどくなってしまう恐れがありますので、医師の注意をしっかり守ることをお忘れなく!

ドラッグストアの睡眠薬なら安全性が高い?

病院やクリニックに行かないまでも、睡眠薬で不眠を改善したい方にとって便利なのは、ドラッグストアなどで購入できる睡眠薬ですね。

正確に言うと、市販の薬は「睡眠導入剤」であって、睡眠薬より作用が軽いのが特徴です。

効果を発揮するのは、一時的な不眠症状に対してだけとなります。

ただし、こちらも薬には変わりないので、副作用のリスクが伴います。

服用する上での注意点は、パッケージや説明書などに明記されていますので、きちんと読んで理解したうえで利用するようにしてくださいね。

すでにほかの薬を飲んでいる方や、睡眠導入剤を飲むことに不安を感じている方は、必ず、ドッラッグストアに常駐している薬剤師さんにアドバイスを求めましょう。

睡眠導入剤のような即効性はないものの、寝つきの悪さや浅い睡眠の改善をサポートしてくれるのが、睡眠サプリです。

こちらは薬ではなく、健康食品ですので、継続的に飲むことで正常な眠りを取り戻すことが期待できます。

サプリに含まれている成分はさまざまですが、睡眠ホルモンの原材料となる「トリプトファン」や、ストレスを軽減してくれる「テアニン」などが人気です。

薬のような副作用の発生は少ないのが、睡眠サプリの大きなメリットですが、過剰摂取による肝機能障害などの報告はありますので、サプリに頼った生活は避けるようにしましょう。

睡眠の源である成分は、食事などから摂取するのが基本ですよ。

ちなみに、トリプトファンは豚肉や牛乳に、テアニンは緑茶に多く含まれています。

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日常生活では、自律神経のケアが重要

ここまでは、薬やサプリによる対処療法について説明してきましたが、快適な睡眠を取り戻して、眠りの質を維持するためには、生活習慣の改善も不可欠です。

とくに近年は、夜型の生活が浸透して、心身をリラックスさせなくてはならない夜も、昼間と同じような環境で生活することが当たり前になっています。

不眠に悩みを抱えている方は、下記に挙げるポイントを見直しましょう。

改善に努めることが、良質な睡眠への近道になりますよ。

起床後に太陽の光を浴びる

睡眠不足が続いていても、朝起きてすぐに太陽の光を浴びると、交感神経のスイッチがONになって、心身が活動モードに入ります。

また、精神の健康をキープする「セロトニン」が分泌されると同時に、太陽の光を浴びてから15時間後に、睡眠ホルモンである「メラトニン」が分泌されるのです。

夜になると決まった時間に眠気が発生するのは、こうしたホルモンの働きがあるからなんですね。

ですから、朝起きたらまずはカーテンを開けて、日光浴をする習慣を身につけてください。

昼間に耐えがたいぐらいの眠気を感じたら、午後2時までを限度として、15分位の昼寝をしましょう。

短時間の睡眠でも、疲労がかなり取れますよ。

休日の睡眠は、平日よりプラス1時間を限度に

平日に睡眠不足が続くと、目覚まし時計をかけなくて済む休日は、昼間でタップリ寝たくなるものですよね?

でも、睡眠は寝だめができません。

それに、起床時間がズレると、メラトニンが分泌される時間も遅くなってしまいます。

休みの日に、いつもより3時間遅く起きたら、眠くなる時間も3時間遅れになるということです。

休日の夜になると、憂うつな気分になって寝付けなくなるのは、こうしたカラダのメカニズムが働くからなのです。

ですから、休日もなるべく平日と同じ時間に起きるようにしてください。

睡眠時間は、1時間長くするのが限度だと覚えておきましょう。

カラダが冷える行動を避ける

私たちの体温は、起床後から上昇し、寝る時間が近づくにつれて下降するというリズムを持っています。

寝る時は、1日中はたらいていた臓器や脳を休めるために、体温を下げてクールダウンさせる必要があるんですね。

ところが冷え症になると、血液のめぐりが悪くなりますので、体温の変動が発生しにくくなります。

これによって、寝つきの悪さが発生しますし、寝ている間も寒さを感じて中途覚醒を引き起こすこともあるんです。

こうした状態を招かないためにも、朝から体温を上げるために、朝食はしっかりと摂るようすると同時に、毎日適度な運動を行なうことを日課にしてください。

また、夏は冷房による冷えに注意です。

オフィスなどにいる時は、長そでや室内用マフラーを着用し、体温の低下を防ぐようにしましょう。

夜は照明を暗くし、リラックスタイムを!

人間の自律神経は、心身を活動的にする交感神経と、リラックスさせる副交感神経から成り立っています。

夜は副交感神経が優位になりますが、昼間と同じような明るい照明のもとで生活していると、交感神経が活発な状態になり、快適な睡眠が妨げられます。

また、就寝直前に入浴すると、体温が上がるうえに脳が刺激されるため、副交感神経のはたらきが弱くなってしまうのです。

こうした神経の特徴をしっかり覚えて、夜は外部からの刺激が少ない生活を送るようにしてください。

寝る前のスマートフォン操作はしないほうが良いでしょう!

寝酒で眠れるということはありません

昔から、寝酒は睡眠を深くすると言われていますが、これはとんでもない誤解です。

アルコールには、脳を覚醒する強い作用がありますから、就寝前に飲むと眠りが浅くなります。

お酒に酔った直後は眠っていても、数時間後には酔いがさめてしまうと同時に、目も覚めてしまうんです。

また、利尿効果もあるため、トイレで起きてしまう頻度も高くなりますし、ノドの渇きも強くなります。

こうしたことから、寝る前のお酒はおススメできないのです。

週に1,2日程度で少量の飲酒でしたら、心身のリラックスにつながりますが、毎日の習慣になっている方は注意が必要ですよ。

寝具環境も徹底チェック!

生活習慣の見直しと合わせて、絶対に行ないたいのは、寝具環境の改善です。

湿度が高い布団で寝ていたら、寝ている間に蒸れて寝具の温度が上昇しますから、寝苦しさで中途覚醒が発生します。

また、発汗によって発生した水分が蒸発しにくくなるので、カラダが冷えて入眠障害につながることも。

ですから、掛布団や敷布団は、夏は天日干しで、冬は布団乾燥機でしっかり乾かすことが重要です。

こうした習慣を生活の一環として取り入れれば、ダニの発生も防げますよ。

もう1つ、注目したいのは、枕の環境です。

枕は布団と違って、天日干しなどができませんから、たいていの方はカバーを取り替える程度で済ませているのではないでしょうか?

でも、寝ている間は頭皮からも汗が出て、枕の表面はもちろんのこと、中もムレムレの状態になりやすいんです。

快適な睡眠を実現するためにも、枕は丸洗いできるタイプのものを使うべきでしょう。

ただし、一般的な枕だと、洗って干しても乾燥するまでに時間がかかるのがネックですよね。

そこでおススメなのが、たわし素材を使った「睡眠用たわし」。

バツグンの撥水性を誇るこの枕は、水で洗って30分間陰干しするだけで、ほとんどの水分がとんでゆくというスグレモノなんです。

眠りをサポートする機能が高いのも、見逃せないポイント。

たわしのチクチク感が頭皮を刺激して快感を与えてくれるので、マッサージを受けながら睡眠に誘われる感覚をおぼえるんです。

また、硬いたわし繊維が、枕にかかる頭部の圧力を理想的に分散してくれますから、睡眠用たわしを使えば、頭や首のリフレッシュにもつながります。

不眠症は、要因がいくつも重なっていることが多いので、すぐには改善できないことが多いです。

でも、どんな症状においても、今回ご説明したポイントの見直しは、快適な睡眠に不可欠ですから、副作用のリスクが高い薬を飲む前に、ぜひ、取り組んでみてください。

1つずつ、正しい習慣に戻して、カラダが持つ自然のリズムを大切にした生活を続けてゆけば、自律神経のはたらきも正常になって、質の高い睡眠が得られるようになるでしょう。


この記事を監修したドクター

ドクターイメージ

石川 慧璃 医師

赤羽南口メンタルクリニック院長/精神保健指定医

経歴

2006年筑波大学医学専門学群卒業。米国臨床TMS学会会員。薬物療法やアルコール依存症専門治療病棟での精神療法プログラム、脳に直接アプローチして治療するTMS治療(経頭蓋磁気刺激療法)など、様々な臨床経験がある。また、直営精神科情報サイト『医者が教えない精神科のこと(http://tokyo-mentalclinic.com/))』で、医師がわかりやすく解説した精神科医療情報を配信している。

経歴

2006年筑波大学医学専門学群卒業。米国臨床TMS学会会員。薬物療法やアルコール依存症専門治療病棟での精神療法プログラム、脳に直接アプローチして治療するTMS治療(経頭蓋磁気刺激療法)など、様々な臨床経験がある。また、直営精神科情報サイト『医者が教えない精神科のこと(http://tokyo-mentalclinic.com/))』で、医師がわかりやすく解説した精神科医療情報を配信している。

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