好みの照明を使うことでリラックス効果が
みなさんの家のリビングや寝室では、どのような照明を使っていますか?
照明には、大きく分けて「直接照明」と「間接照明」の2種類あります。
直接照明というのは、主に天井などに取り付けられているシーリングライトや蛍光灯などのことで、光を上部から当てて生活を快適にしてくれるものです。明るさが十分にありますから、私たちは自然と活動的になります。
これに対して、最近、家具店やインテリアショップで人気なのが間接照明です。おしゃれなデザインのものが多く、スタンドや床置きタイプや、小型のキューブになっていて棚に飾れるものなど、バリエーションが豊富です。
お気に入りの照明に囲まれているだけで心身がリラックスしますから、これだけでも快眠効果があるとも言えますね。
しかし、間接照明というのは人間科学に基づいて作られているスグレモノだということは、意外と知られていないのです。
寝つきが悪い、夜中に何度も目が覚めるといった悩みを抱えている方は、ぜひ、覚えておいてください。
自然な眠りを誘う副交感神経のはたらき
ここで少し、神経のはたらきについてお話ししましょう。
私たちは1日の活動の中で、交感神経と副交感神経という2つの神経を切り替えて活動しています。
朝起きたら交感神経がはたらいて、体の生命活動が活発になります。血流がよくなって臓器が活動をスタートし、脳の動きもシャキッとしてきます。興奮状態になっているので、行動や思考が活発になります。
逆に、夕方ぐらいになるとこうした動きが緩やかになってゆき、心拍数や血液が低下してリラックス状態に入ります。そして、就寝時間が近づいてくると眠くなる。これが、副交感神経のはたらきです。
しかし、ストレスがたまっていたり、生活環境に問題があったりすると、夕方や夜になっても交感神経が優位になったままとなり、快眠に支障をきたしてしまうことがあります。
また、人間は夜に強い光を浴びると、メラトニンという睡眠促進ホルモンの分泌が少なくなることも分かっています。
こうした状況を緩和してくれるのが、間接照明です。
人間の体は、光を浴び続けていると興奮状態が続きます。直接照明は、照明器具が発する光の90%が部屋を照らすように設計されていますが、間接照明は10%程度に抑えられていますので、副交感神経への切り替えをスムーズにするのに最適な家具なのです。
快眠につながる間接照明の使い方
仕事や家事、育児で忙しいと、どうしても夜型の生活になってしまい、交感神経のリズムが崩れがちになってしまいます。その状態を放置していると、睡眠の質がどんどん低下してゆき、メンタル系の病気や内臓疾患を引き起こすリスクが高まります。
明るい直接照明から少し暗めの間接照明に変更すると、最初は違和感を感じるかもしれませんが、すぐに慣れてきますから安心してください!
(間接照明を選ぶポイント)
・初めて間接照明を使う方でしたら、光量を調整したり、電球の角度を変えられたりするタイプのものを選ぶとよいでしょう。
・部屋の床にスペースがあれば、床置きタイプの間接照明もおススメです。光が上からではなく下からあたるので、脳への刺激がより少なくなり、快眠が期待できます。